一般質問議事録は「なかの区議会WEBサイト」で公開している議事会議録より、高橋かずちかの発言部分のみを引用し掲載しています。詳細はリンク先の議事録をご確認下さい。

なかの区議会会議録一覧より
「平成25年9月12日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録」
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中野区議会議員 高 橋 かずちか

  1. 古紙等の資源持ち去り対策について
  2. 高齢者に対する悪質商法被害防止対策について
  3. ゲリラ豪雨等に対する水害対策について
  4. 中野駅周辺まちづくりにおける区主導型のエネルギー供給体制の構築について
  5. その他

○議長(伊東しんじ) 初めに、高橋かずちか議員。

〔高橋かずちか議員登壇〕

○2番(高橋かずちか) 平成25年第3回定例会に当たりまして、自由民主党の立場から一般質問をさせていただきます。質問内容は事前通告のとおりでございます。また、その他の項目はございません。

まず初めの項目、古紙等の資源持ち去り対策について質問いたします。

東京都では平成11年度に区部全域で行政による古紙回収が本格化し、飛躍的に回収量が増加してきました。中野区においては平成19年度に行政回収は全廃し、集団回収に一本化し、今日に至っています。集団回収のうち、新聞、段ボール、雑誌、書籍、その他の古紙の平成24年度の回収量は1万5,443トン、平成25年度予算では1億120万円余の予算が組まれています。集団回収に登録している団体は、町会・自治会を中心に226団体、また、実施団体が決めている回収場所は推定6,500カ所に及びます。

古紙回収の全てを集団回収とした中野区の事例は、資源回収リサイクル率80%を超える世界トップクラスの日本の実績の中でも特筆すべきものであり、区の努力ももちろんですが、御理解、御協力いただいた区民や団体、回収業者各位には敬意を表するものであります。

一方で、こうした地域の努力を踏みにじる反社会的行為、古紙等の資源持ち去りにつきましては、年々被害が増大しています。こうした社会問題がマスコミ等でも大きく報じられているところでございます。東京都リサイクル事業協会の調査では、都内新聞・古紙の約3割が持ち去られ、被害額は年間15億円ということであります。

古紙回収量は、行政回収を全廃し、集団回収に一本化した平成19年度をピークに減り続け、平成24年度はピーク時の85%になっております。これは中野区回収量全体の傾向でして、個別の町会単位で見ますと、江古田・江原地区のある町会では7月で前年同期比20%を超える減という地域もございます。

中野区の古紙等の資源持ち去り対策としましては、平成16年の条例制定、集団回収ニュースやチラシ添付などの啓発活動、また、年1回の意見交換会での情報共有やパトロール、また、警察署への情報提供といったことを伺っております。

こうした反社会的行為を水際で未然に防ぎ、地域から排除するために、根絶に向けた三つの視点から質問をしたいと思います。
まず初めの視点は、関係法規の整備についてです。

23区の中で、持ち去りに対する関係法規を整備しているのは17区、中野区も条例化をしています。しかし、中野区には処罰規定がございません。平成16年の条例制定当時の議事録を見ますと、罰則規定は検討はしたものの、告発に至るまでの行政手続や裁判での立証が難しいことなどを理由に見送られた経緯がございます。

しかし、社会問題として世間から注目されている今、東京都が持ち去り行為を排除すべく主導する古紙持ち去り問題対策検討協議会での持ち去り根絶のための新たな取り組みとして、持ち去り禁止条例の制定の拡大を挙げ、さらに、その中で罰則つきの持ち去り禁止条例を制定することを第一に掲げております。その必要性としては、持ち去り業者の行為は条例のない自治体で多く発生している。また、罰則つき条例が抑止効果が高い。さらに、警察と連携を進めるには、条例違反として告発するほうが有効であるということであります。

古紙回収業者から伺った現場の実態も、罰則規定がないと、警察が現場に関与しても注意のみにとどまるといった傾向があるようです。
また、地方自治総合研究所2013年1月号に掲載された資料によりますと、23区の中で条例化している17区のうち、罰則規定がないのは中野区と板橋区の2区だけであります。

そこで、質問をいたします。古紙持ち去りを水際で撲滅するために、中野区廃棄物の処理及び再利用に関する条例に新たに罰則規定を定めるべきと考えますが、区はどのようにお考えでしょうか。

二つ目の視点は、古紙回収業者と古紙買い取り業者、いわゆる古紙業界と製紙メーカーとの連携であります。

関東の古紙買い取り業者117社で構成する関東製紙原料直納商工組合では、東京、神奈川、埼玉、3都県13の市町で連携をし、みずから購入した1台当たりおよそ1万円程度のGPS装置を行政側に貸与し、GPSの追跡により特定できた古紙買い取り業者への悪質回収業者排除の指導によって、持ち去りが減少している実績もあります。行政回収と中野区のような集団回収では、行政のかかわり方は違うとは思いますけれども、被害の大きな登録している集団回収団体に中野区が仲介して、モデルケースとして研究・検証してみる方法もあると思います。

また、最終的に古紙を有効利用する大手製紙メーカーも、コンプライアンスを重視する立場から、こうした反社会的行為である古紙持ち去りやグレーな古紙買い取り業者を業界を挙げて根絶する機運が高まっています。

そこで、質問をいたします。GPS装置を活用することで、違法持ち去り業者が持ち込む買い取り業者を特定し、指導することなどによって、中野区の古紙業界との緊密な連携と古紙違法持ち去り根絶の姿勢を大きくアピールすることが重要であると考えます。試験的にでも、とにかく新たな行動をとることが重要であると考えますが、区はいかがお考えでしょうか。

最後に、三つ目の視点について申し上げます。

関係者間の情報共有と連携、さらには周辺自治体との連携であります。これまで区が進めてきた町会と一緒のパトロールや啓発活動をはじめ、地域との連携、警察との情報提供、そうした行動を明示する姿勢は、抑止の視点から非常に有効であるとは思います。しかし、こうした取り組みを中野区だけでやっていても限界があると思います。周辺自治体との緊密な連携が不可欠であります。

そこで伺います。パトロールや情報提供によって得た持ち去り業者の情報や、納入先である古紙買い取り業者に関する情報の蓄積など、自治体間で共有して、初めて先ほど述べた古紙業界との連携がさらに実効性あるものになると考えますが、いかがお考えでしょうか。また、自治体間の連携を行う場合、具体的にどのように行うのか、お聞かせください。

そして、この周辺自治体との連携については、中野区が主導的に行うことが重要であります。地域で正当に集団回収される古紙は、町会・自治会や団体が地域で行う防災・防犯活動や支え合い活動を行うための資金の一部となっている地域の大切な財産であります。こうした地域の財産を奪う犯罪行為は根絶しなければなりません。

また、私が危惧するのは、最近の古紙持ち去り報道を受けて、周辺自治体が排除のための強化策を推進した場合、追い込まれた違法持ち去り行為を行う者が対策のより甘い地域に集まってしまう。そして、持ち去り現場に直面するのは住民であり、事故・事件等不測の事態に巻き込まれないとも限らないということであります。

ごみの分別で有名となった横浜市でも、全国に先駆け中野区が実施した古紙等回収の全区域集団回収化、いわゆる中野モデルを追随しております。このように集団回収で注目される中野区がいち早く持ち去りに対する条例を厳しくし、罰則規定を設け、反社会的行為である古紙持ち去り行為を断じて許さないという姿勢を早急に打ち出すべきだと確信をしております。地域を中心とした集団回収団体、回収業者、そして、行政と警察のそれぞれが一致協力して、集団回収の成果をつくり上げていくことが大切だと思います。

この項の最後にお伺いをします。こうした状況を踏まえ、古紙持ち去りを根絶させるため、中野区の新たな強力な他自治体に先駆けた取り組みが重要と考えますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。

以上でこの項の質問を終わります。

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