3番目としまして、幼児教育の今後のあり方についてお尋ねいたします。

いわゆる子ども・子育て関連3法に基づく制度である子ども・子育て支援新制度についてお聞きします。

平成23年第4定例会での私の一般質問におきましても、子育てにおける幼児教育の重要性、また家庭教育の重要性について区の見解をいただいているところであります。一方、核家族化や高齢化等による家庭や地域での子育て力の低下、待機児童問題、質の高い子育て環境の充実を望む声など社会環境の変化、とりわけ女性の社会進出に伴う子育てをめぐる多くの課題解決が望まれてきたことも事実であります。幼児教育と保育という、一部認定こども園を除きますと、今まで背景の異なる子育て環境が一体化してきたかに見えるこの子ども・子育て支援新制度に関して、幼児教育という視点から中野区内において幼児教育に取り組む私立幼稚園について伺います。

この新制度は施行時期が平成27年4月となっており、現在の私立幼稚園は現行のまま私学助成を受ける私立幼稚園を継続する方法、次に二つ目として新制度の施設型給付を受ける私立幼稚園に移行する方法、そして三つ目として新制度の施設型給付を受ける幼保連携型、または幼稚園型の認定こども園に移行する方法の三つから選択しなければならないとされています。

そこでお尋ねをします。まず、施設的な要件についてですが、現行の私立幼稚園から施設型給付を受ける幼稚園や幼稚園型認定こども園に移行する場合、新たな施設整備は必要になるのでしょうか。また、施設整備が必要な場合、施設整備に係る補助制度はあるのでしょうか、お尋ねします。

そして、次に最も肝心なことになりますが、私立幼稚園が施設型給付を受ける施設になった場合においても、幼稚園が幼児教育の基本とするこれまでの歴史や伝統を踏まえて受け継がれてきた私立学校としての建学の精神や教育理念に基づく方針や独自性などは担保されるべきと考えますが、いかがでしょうか。特に園児の選考については、建学の精神や教育の理念に基づく独自性は確保される必要があると思いますが、区の見解をお聞きします。

また次に、これまで私立幼稚園では保護者の父母会会員としての役割が重要視され、活発な活動が行われています。新制度に移行しますと、利用申し込みについての応諾義務が発生し、さまざまな保護者が入園することになると思いますが、保護者間の間でそうした父母会への理解と実践について、保護者同士の一体感が保持できないと不協和音が生まれたり、クラスを受け持つ教諭への影響など、結果的に教育の質が低下する懸念があります。新制度ではこれまでのような父母会の活動が可能になるのかお尋ねします。

新制度への準備が急ピッチで進められている中、新制度への移行について慎重に対応したいという声も聞こえてきます。また、新制度に移行する、移行しないにかかわらず、幼児教育は充実した内容を保証していく必要があります。

そこでお尋ねします。このまま新制度に移行せず、これまでどおりの私学助成による幼稚園を継続する場合においては、私学助成は現行と変わらないのか、また減額される等デメリットはないのでしょうか、お答えください。

また、幼稚園については施設類型を選択するという新制度における影響を最も受ける施設となっています。平成27年4月施行に向けて、私立幼稚園の新制度への対応について区はこれまでどう進め、今後どのようなスケジュールで進めていくのでしょうか、お伺いします。

教育の根幹を形成する幼児教育の場である幼稚園と、福祉施設としての保育園は設置目的が異なり、それぞれのよさがあり、社会経済情勢や親のライフスタイルによるニーズも違う、いずれも子育てにおいて大変重要なことであります。要は親のライフスタイルに合わせて自由に選択することができる、またそのニーズに即応できることが重要であると考えます。

この項の冒頭で述べましたように、幼児教育の重要性については小学校で集団教育に入る前に社会性を育む基礎的な経験・学びの機会が、核家族化の進展に伴い減少し、幼稚園における就学前教育の役割がさらに重要視されていると考えます。幼児教育という言葉は認定こども園での保育との総合的な提供という扱いに、新しい新制度での内閣府の資料を見ると、なっております。また、国の子ども・子育て会議に出席している私立幼稚園の保護者からは、「長時間、施設に預ける保育を中心に議論が進められていて、次世代を担う子どもたちをどのように育て、教育すべきかが議論されることがなく違和感を覚えた」という意見もありました。

最後に伺います。これまで中野区においては幼児教育の推進を私立幼稚園が中心となって担ってきた歴史的経緯があります。今後、保育機能がますます必要になってくることも十分理解しておりますが、区も幼児教育の重要性を認識している中で、子ども・子育て新制度において幼児教育についてどのように推進していこうとお考えなのでしょうか。見解をお聞かせいただきたいと思います。

以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

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