次に、最後の防災・減災まちづくりについてお聞きします。

大阪北部地震で犠牲になられた方にお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。

区長が述べたように、いつ起きてもおかしくない首都直下地震への備えは喫緊の課題であります。今般の区長の施政方針説明では、面整備を主としたまちづくりや都市基盤についての説明に関してはあまり触れられていないという印象を受けました。区長は施政方針説明で、木造住宅の耐震補強工事の助成制度を創設すると述べられましたので伺います。この耐震助成制度について、近隣区の状況、実績、そして現実に効果が上がっているのかどうかをお聞きします。

震災を含めた防災・減災まちづくりを進めるに当たっては、特に中野区内では火災危険度の解消に着目する必要があります。先般の都の地域危険度においても火災危険度5の地区が目立ちました。区の木造住宅密集地域の改善に向けて、火災危険度の高い地区をどれだけ減らしていくかが鍵となります。すなわち、東京都防災都市づくり推進計画に示される指標であります不燃領域の向上であります。単に木造住宅の耐震補強工事に助成するというものではなく、戦略的に都市政策的な防災・減災まちづくりを進めるべきと考えます。そのためには、火災への危険度の高い木造住宅の建てかえをできる限り促進し、緊急車両が入れる避難道路ネットワークを構築し、沿道を耐震性があり燃えない建物へと建てかえていくまちづくりが必要になります。すなわち狭隘道路、そして避難道路や都市計画道路の拡幅整備や面的整備による防災まちづくりが有効な手法と考えます。大阪北部地震で課題となっている民間ブロック塀の危険の解消にもつながると思います。

都市計画道路等の拡幅により沿道住宅の空地と建てかえを促し、拡幅により適正な容積率が使えるような誘導を行う、また、接道不良敷地などでは建物の共同化を行うなどで、木造住宅の集積地区を改善するなどの面的整備こそが有効と考えます。区長は木造住宅の耐震助成を主張されますが、防災・減災のまちづくりにおいては、避難道路ネットワーク、延焼遮断帯の形成、木造住宅の積極的な建てかえ促進、街区再編の防災まちづくりにより不燃領域率を高めることが重要であると考えます。お聞きをいたします。このように区が現在進めている防災まちづくりと、区長が今後創設を考える耐震補助とはどのような関係にあるのかお示しください。さらに、冒頭申し上げましたとおり、ユニバーサルデザイン、バリアフリーによるまちづくりの視点がない中で、高齢者や障害のある方々が安心して暮らせるまちの形成や、災害時に安全に避難できるまちづくりには、こうした観点からのまちづくり視点が不可欠であると考えますが区長のお考えを聞かせてください。

江古田三丁目地域では、現在完成しつつある江古田三丁目合同住宅プロジェクトがあります。UR都市機構、住宅開発事業者と、そして従前から住む住民、そして新たに加わった住民が、防災をキーワードに子育てや地域の支え合いも含む良好な関係づくりを目指し、防災に視点を置いたエリアマネジメントの展開が行われています。こうしたビッグプロジェクトに代表される面的整備が進む地域はもちろんのこと、このような防災エリアマネジメントの視点を持った取り組みを各個別の地域でも推進し、世代や居住の新旧を超えた視点が必要だと考えます。最後にお聞きします。地域まちづくりを進めるには、こうした基盤整備の防災まちづくりに加え、地元町会、防災会、そして商店街や新たに引っ越してこられた住民など、防災エリアマネジメントとして良好な関係を築く視点も重要と考えますが、いかがお考えでしょうか。

以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

5ページ目:区側答弁