次に、3番目の中野駅周辺のまちづくりについてお聞きします。

中野駅周辺まちづくりのゴールとも言うべき中野駅新北口駅前エリアのまちづくりについては、区長選挙の争点となり、幾つか現実の論議とかけ離れた視点、事実と異なる内容がテーマとなったことが伺えます。これまでの経緯を十分把握した上で提言されているとは言いがたい内容となっています。このようなことから、区長が中野駅周辺まちづくり、当該中野駅新北口駅前エリアのまちづくりを正しく認識されているのか幾つかの疑問があるので確認をさせていただきます。

まず、アリーナについて。日本国内各地でアリーナ計画が展開されております。中野四丁目新北口地区の中核をなす中野駅新北口駅前エリアに展開される集客交流施設の主要施設としてもアリーナが検討されているわけですが、このアリーナに関しては区長も、選挙中も、就任後の定例会でも、施政方針説明でも所見を述べられております。ここでのアリーナ計画について率直にお聞きします。当該地での主要施設にアリーナが整備される場合、都心に近接し、多摩地区と都心の中間地点に位置しアクセスもよい抜群の立地、駅に直結するアプローチのよさ、駅を起点に東西南北にスムースに回遊できれば周辺商店街への経済波及効果も期待でき、話題性も人気も事業収益性の面からも確実にアドバンテージが得られると考えますし、区のシティセールスにもつながると考えますが、いかがお考えでしょうかお示しください。

区長は、1万人アリーナは計画ありきで、バスケットボールのプロチームを一から誘致するなど計画性が不透明で、有識者を交えた計画検証委員会を立ち上げるとおっしゃっております。横浜みなとみらい地区で2020年に開業を予定しているぴあアリーナ計画によりますと、ライブエンタテインメント市場は拡大の一途をたどっており、今後も拡大傾向が続く、収益性が高いなどの検討から音楽特化型のアリーナを計画しています。中野区はこれまで、民間の知見を活用すべく民間の事業協力者と検討や議論を重ね、また、平成29年度スポーツ庁委託事業として、「中野駅新北口駅前エリアアリーナ整備官民連携協議会」によってアリーナ整備運営のあり方についての報告書が出されました。そこでお聞きします。このスポーツ庁委託事業の協議会による検討は、アリーナの利用形態について、スポーツを主たる用途としていたのでしょうか。協議会の報告書では、再整備モデルにおけるアリーナのあり方としてどのような提案がなされているのでしょうか、確認のためお示しください。

その報告書によりますと、当該地でのアリーナのあり方として、コンテンツの要件や動員状況を考えて、スポーツで5,000人、コンサートで通常7,000人、アリーナ部分の椅子をなくして総立ちで1万人ということで、ぴあアリーナで計画されている固定席7,000人、アリーナ土間部分3,000人の計1万人のアリーナとは、同じ1万人規模のアリーナといっても違いがあります。また、アリーナの観客席のレイアウトは、イベント主催者の興業前準備にレイアウト変更に係るコストをかける必要がなくなっているということから、稼働率を上げ、マーケット性を重視しているアリーナとなっています。そこでお聞きします。このように、アリーナの利用形態に応じた収容人員など具体的に示されていますし、最大収容1万人という仮説の中で、実際に興業が成り立つかどうかの検証を行ったのでしょうか教えてください。

報告書ではさらに、アリーナを起点としたまちづくりとして、まち全体のにぎわい創出まで視野に入れた内容となっています。区民はもちろんのこと、興行主やコンテンツホルダー、イベント事業者やアーティスト、そして施設利用者や観客に喜んでもらい、多くの来場者が見込め、来場者が感動の余韻を周辺商業施設で食事やさらなるエンターテインメントを楽しんでもらい周辺地域も活性化する、そうした効果を期待するものだと考えますが、区長のお考えをお示しください。

区長は、アリーナの収容規模についてもコメントされております。収容人員が1万人では多いということでしょうか。5,000人ならばいいのでしょうか。適正な収容人数は何人ならよろしいのかというところでございます。

ここでお聞きします。この適正人員は、リスクを負って当該地に複合施設の主要施設として施設を整備する事業主体、また、同様にリスクを負って施設を運営する運営主体が、整備コスト・運営コスト・市場の将来動向や施設運営マネジメントやプロモーション事業のあり方、収益構造の検討などを専門家やイベント興行主を交えて判断していくもので、現時点で事業主体も運営主体も決定していない中でどう判断するのか疑問を持たざるを得ません。区が事業主体となって当該施設を整備する、または施設を運営するおつもりなのでしょうかお答えください。

区長は、施政方針説明の中で、1万人アリーナの整備・運営に伴うさまざまなリスクや区の将来負担についてもシミュレーションして示すと述べられていらっしゃいます。このことについて区長のお考えを再度お聞きします。

中野駅新北口駅前エリアにおいて再開発事業として進められているプロジェクト、またその中核を成す業務商業、特に集客施設の整備・運営をあたかも区が行う、または参画することを前提とした発言が見受けられております。私は、中野区は当該地での一定の発言権、何らかの関与を持ち続けるために、一定程度の土地に係る権利を保有するものの、移転補償費を受け取り、それを新区役所整備費用に充てるという事業スキームが基本であると認識をしておりました。そこで確認をいたします。中野サンプラザを含め当該地に権利を有する中野区は、この再開発にどのようなスタンスでかかわっていくのか教えてください。

また、検証委員会について。当該地区再整備の推進については、2015年に要綱により設置した、「区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議」があります。ここでの情報共有、意見交換等の議論は何だったのでしょうか。これこそ区民参加だったのではないでしょうか。区長就任記者会見での発言にあった検証委員会の構成と何ら変わらないところもあります。この場で議論をしてはどうでしょうかという提案をするつもりでしたが、検証委員会はどうやらかつての区民委員会をベースに進めるお考えのようです。では、何を検証するのか、その辺をお聞きします。

これまでに区からは、検討メニューの提示や事業の方向性、比較検討など、施設整備を具体的に進めるための説明はいただいておりますけれども、事業そのものについては何も決まっていないと思います。区長は、集客交流施設としての1万人収容のアリーナについて検証を行うということですが、このことについてお聞きします。事業整備や運営主体や形態などに関して現時点で何も決定していない状況で、事業収益性の検討もできない状況で一体何を検証するのでしょうか。これまで当該地区の開発の経緯を振り返ってみますと、随分多くの過程を経て今日に至っています。ことし3月には中野四丁目新北口地区まちづくり方針を策定し、いよいよ都市計画に入る段階まで来たと認識しております。そこでお聞きします。2011年に区役所・サンプラザ地区整備の基本的方向を示し、ことし3月の方針策定に至るこれまでの打ち合わせ経過を検証するのでしょうか。未来に向かわず、後戻りをするように過去について、区長がおっしゃる今年度いっぱい時間をかけて検証するおつもりなのでしょうか、お示しください。

区長は、この検討委員会を立ち上げ、今年度内には結論を出すとおっしゃっております。中野サンプラザ解体を伴う面整備を、サンプラザ存続を含め見直すとおっしゃっている区長が、しっかりと説明すると大きくトーンダウン、方向変換をいたしました。選挙中の発言やチラシに書いてあった内容は何だったのかと驚かされる次第であります。

中野サンプラザを残すということは、街区再編を大きな目玉として進めてきた、JRとの調整に直結する長い年月をかけた都市計画のゼロからのやり直しを意味するのではないでしょうか。過去の検討経過を検証することで、半年近く見込まれるスケジュールの遅延によってさまざまな影響が出てきます。街区再編等を進めてきた都市計画に与える影響、中野駅新北口駅前広場等の都市施設整備に与える影響、基盤整備等土地区画整理事業に与える影響、アリーナ施設や高層棟など中野駅新北口駅前エリアに展開される再開発事業に与える影響、JRと協議が進められている自由通路や駅ビル等に与える影響、また、中野駅新北口駅前広場におけるJR駅ビルの荷さばき施設を含めたJRの設計業務に与える影響です。都市計画そのものが頓挫した場合の中野駅周辺まちづくり推進に係る都市計画策定作業に与える影響も考えられます。私が思いつくだけでも、これだけの影響が考えられます。そこで伺います。当該開発においては、私は、JRとの密接な調整のもと、区の役割、民間の役割、事業の成立性や街区再編に伴う当該都市計画を遅滞なく進め、JRの南北自由通路、新北口橋上駅舎、新北口駅前広場部分の整備との整合性を進めていくことが最重要であると考えますが、区長の御見解をお示しください。

区長は、中野駅周辺再開発について、区内団体、行政、民間事業者でまちづくりの協議体を設立し、エリアマネジメントを導入、官民一体となってまちづくりを進めるとしています。中野駅周辺地域におけるこのような大規模な開発では、通常、開発地区ごとにエリアマネジメント組織が組成され、それぞれが地域活性化や地区の価値向上などに向けた活動を行うことが一般的なエリアマネジメントの姿だと考えます。そこでお聞きします。まちづくり協議体とはどういう性格をイメージし、区とのかかわりはどのような形になるのでしょうか。エリアマネジメントについては、一般的に地権者や事業者等の民間が主体となって組成されるものですが、協議体がエリアマネジメント団体となる想定か、その場合どのような構成メンバーでどういった活動を想定しているのでしょうか、教えてください。

一方、中野区では、これまでシティマネジメントを実施していくコンソーシアムとして(仮称)中野区シティマネジメント推進機構を、区と民間事業者が協力して設立し、観光プロモーションやシティセールス、エリアマネジメント支援などを行うとしてきました。区の設立しようとしてきた法人と、区長がおっしゃるまちづくり協議体との役割の違いは何でしょうか、どのようになっていくのか教えてください。

4ページ目:防災・減災まちづくりについて