2番目の項目としまして、中野区基本構想検討案及び10か年計画の改定と都市施策・まちづくりについてお聞きします。

東京都では現在、2040年の東京のあるべき都市像を示す「東京のグランドデザイン」策定に向けて検討委員会を設置し、2040年代の東京の都市の姿、都民の暮らしや産業、文化などについてあらゆる分野の専門家や関係者との意見交換を行っています。また、これとは別に、東京都都市計画審議会においては、2040年代の東京の都市像とその実現に向けた道筋について調査審議する「都市づくり調査特別委員会」が設置され、主に都市づくりの観点から専門家等による調査審議がなされています。こうした東京の動きを見てみますと、中野区においても今後の都市施策の構想やとりまとめに当たっては、ハード面とソフト面の両面からアプローチをして、区民にとってもわかりやすい、よりリアリティのあるものにしていく必要があると思います。

中野区も現在策定中の上位計画を踏まえ、都市計画マスタープランの改定など、さらに具体的に都市としての中野のまちの姿をより具体的に描いていく必要があります。

そこでお聞きします。都市づくりの観点からの中野の将来像を今後検討するに当たっては、都市計画マスタープランの改定を都市計画所管が行うといったこれまでのやり方にとどまらず、例えば東京都のように都市計画審議会の中で都市づくりの専門家が調査検討したり、さまざまな分野の知見を結集して検討する新たな検討委員会も同時並行で立ち上げる必要が出てくるのではないかと考えます。こうした新しい都市施策立案の仕組みについていかがお考えでしょうか。区の見解をお聞かせください。

今まで申し上げた都市施策と同時に、住まいのあり方も再検討すべき時期に来ていると考えます。区長の施政方針説明では、急速に進む少子高齢化対応と、安心して住み続けられるためには、多様で質の高い住宅供給が必要とあります。
そこでお聞きします。まず、現在中野区が所有して管理している区営住宅については、何カ所で合計何戸あるのでしょうか。これらはほとんどが小規模な都営住宅を区営住宅に移管したものであり、区が直接建設にかかわっていないという経緯もあり、必要な維持管理は行われているとは思いますが、老朽化しているものも多く見られます。区はこの区営住宅の現状をどのように把握し、分析しているのでしょうか。

現に、老朽化した5階建てのエレベーターが設置されていない区営住宅も見受けられます。そして、高齢化の進展とともに、こうした住宅に住む住民も高齢化が進んでいます。病気やけがで入院し、リハビリ後、住居に戻ろうとしても、エレベーターなどの昇降設備のない上層居住者は戻れませんし、介助で何とか一旦は戻っても、外に自由に出かけることができなければ住居内にとどまることとなり、リハビリどころか体力保持も難しくなってまいります。こうした老朽化した区営住宅は、いずれも比較的広い敷地に建築されており、敷地を有効に活用し切れていない現状もあると思います。老朽化した区営住宅の建てかえに当たっては、例えば敷地内に公開空地を確保して緑化し、容積割り増しを受けるなどの手法によって敷地を最大限に有効活用すれば、周辺環境への貢献、居住環境の整備とともに住戸数の増加も見込めることから、何カ所かの区営住宅を統合して建てかえすることも可能となります。不要となった区営住宅の敷地をほかの用途へ転用したり、売却したりすることが可能となります。これらの点について区の見解をお聞きします。

また、再整備後の区営住宅の低層階を地域の活動の場として提供したり、地域住民・区民・区外・事業者など、対象者によって賃料設定を変えるなどして区営住宅の一部を貸し出すことで区営住宅の維持管理や改善に必要な財源の一部を確保することもできるのではないでしょうか。さらには、土地と建物は区所有としたままで、住宅の経営権を民間事業者に売却するなど、ほかの分野では既に実施に向けて取り組まれている先駆的手法を検討し、区営住宅としての住環境の維持向上を第一義としつつも、収益貢献や管理コストの削減など、新たな検討をすべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞きします。

3ページ目:にぎわい・活性化につながるユニバーサルデザインの推進について