三つ目の項目としまして、首都直下大震災等、災害時の備蓄に関連して幾つかお聞きしたいと思います。

いつ発災してもおかしくない首都直下大地震に備えた対応は、幾度もの自然災害による教訓から常に進化するべきものと考えております。

まず初めに、幼稚園、保育園など、未就学児に対する備蓄についてお聞きします。

過去の私の備蓄に関連する質疑の回答としては、備蓄の食料は都と区で3日分備蓄する。都と区の役割分担に基づき、区は一般の区民用として1日分、災害時要援護者用としては2日分、粉ミルク等については3日分を備蓄調達をする。それ以降の備蓄については、都が広域的な見地から必要量を備蓄調達する。同時に、区民に対する自助の取り組みとして、各御家庭で3日分以上の水や食料の備えを呼びかける。こうした回答でありました。

災害対策基本法第8条では、高齢者、障害者、乳幼児その他に配慮を要する者を「要配慮者」とし、要配慮者に対する防災上必要な措置に関する事項が述べられています。また、消防救護の現場で実際に進められている要配慮者としては、高齢者、障害者、外国人、乳幼児、妊産婦、病人等が位置付けられています。しかし、中野区の施策にかかわってくる施策の対象となる要配慮者としては、現在のところ、高齢者、身体障害者等を中心とした対象者となっています。幼稚園や保育園の園児が在園中に大災害に被災した場合、どのような扱いになるのか非常に不安であります。

次に、帰宅困難者について、中野区地域防災計画第39次修正を見ますと、被害想定のところには、避難者数約7万7,000人、そのうち避難所に避難する人は約5万人、避難所以外に避難する人は約2万7,000人、また、区外から中野区へ来ている来訪者で、職場、学校などの帰属がない人たちが屋外滞留者数として約1万7,000人、また、中野区に滞留している方々のうち自宅までの距離が10キロを超える徒歩帰宅困難者が約5万8,000人となっています。この被災パターンと被災後の状況について整理してみますと、自宅で被災した場合は、住宅に危険がなくとどまれば自宅でその自宅の備蓄を使う。また、自宅にとどまれない場合は避難所へ避難し、避難所の備蓄を使うことになります。区内民間事業者の従業員の場合は、平成24年に制定された東京都帰宅困難者対策条例によりますと、事業者には、一斉帰宅の抑制とそのための一時滞在施設と備蓄の確保等を義務付けています。

区内の区立小・中学校の生徒が学校にいる際に被災した場合は、平成24年2月に出された大地震発生時の区立学校対応指針によりますと、震度5以上の地震の場合、原則、保護者等による引き取りにより下校。その間、学校は児童・生徒の安全に努め、その間、備蓄用品を積極的に利用するということになっています。区立の幼稚園や保育園も、十分とはいかないまでも、中野区による一定程度の備蓄が進んでいます。何を申し上げたいかといいますと、災害備蓄品については、私立の幼稚園、保育園への対応がなされていないということであります。園児を親が引き取りに来るまでの間、各園が園児の安全を守るということは当然のことではありますけれども、先ほど示した被災パターンと、被災後の状況については、現状では私立の幼稚園、保育園の子どもたちは、民間事業者の従業員と同じ帰宅困難者の扱いになっているのではないでしょうか。

そこでお聞きをいたします。まず、確認として、帰宅困難者に対する備蓄について、区はどのように対応しているのでしょうか。ある程度備蓄をしているのでしょうか。備蓄をしているとしたら、どこに備蓄をしているのか。また、本来東京都が行う帰宅困難者対策との関係もあわせてお示しをいただきたいと思います。

次に、私立の幼稚園、保育園の園児など、未就学児が園にいるときに被災した場合、この子どもたちは区の防災施策の分類ではどういう扱いになるのでしょうか。私立の幼稚園や保育園など、未就学児の現場での防災備蓄品に関しましては、その装備の有無や充実度、またメンテナンスなど非常に気がかりであります。私立幼稚園では、3.11の後、各園で防災備蓄用品をそろえてきたということでありますけれども、備蓄食料飲料水の中には、消費期限を迎えるものも出てきております。また、幼児であるゆえ恐怖心も大人が抱くものとは比較にならないのではないでしょうか。そのためには、照明関係のランタンなどは通常より充実させるなど、幼児ならではの装備の基準もあるのではないでしょうか。

大災害が起きたときは、皆同じ被災者であります。しかし、大人は歩いて帰宅する、距離が遠ければ帰宅困難者として事業所にとどまる、応援が来るまで、あるいは復旧するまで我慢するということがある程度は可能でありますけれども、未就学児は幼児であります。親から離れている、それだけで大きな不安を抱えているわけですから、子育て支援施策を強力に進める中野区としては、何らかの手を打つべきではないでしょうか。

私立幼稚園の中には、広い園庭を抱え、周りが森に囲まれている園もあります。首都直下大震災のような万が一の大災害時には、延焼遮断帯として、また一時滞在施設としての機能も持っているはずです。災害時には防災拠点にもなり得ます。一方、園としては、近隣の地域住民、区立学校等と連携をとっていかなければなりません。

そこで質問をいたします。中野区が主導し、地域での共助が円滑に進むように、私立幼稚園の総合防災訓練への参加や防災訓練の実施など、平時から行うようにコーディネートをし、地域防災力の向上とともに、そうした事業を通して防災安全対策の補助金のような助成を出して、園の防災活動が維持進展するようにしてはいかがでしょうか。

あわせて、このような活動に不可欠な連絡体制、情報通信手段の確保のために、防災無線の設置を進めてはいかがでしょうか。お答えください。

災害時の備蓄物資・防災資機材について、関連して幾つか伺います。

まず、ことしも9月28日に中野区災害医療救護訓練が行われます。しかし、中野区総合防災訓練を含め中野区災害医療救護訓練にも、医療の現場になくてはならない看護師の方々の参加が非常に少ない状況が見られます。

そこでお聞きします。中野区が行う中野区総合防災訓練、また、中野区災害医療救護訓練に医療の現場に不可欠な看護師の方々の参加を働きかけ、訓練をより実態に即したものとするとともに、その位置付けを周知すると同時に、活動がスムーズにいくように、新たに医療従事者用の汎用ベストを装備すべきと考えますが、いかがでしょうか。

次に、区立中学校における防災用品として、生徒にヘルメットがありません。これはなぜなのでしょうか。

幼稚園、小学校には生徒全員に防災頭巾が装備されています。中学生が学校にいるときに被災した場合、生徒の身を守る防災ヘルメットは不可欠ではないでしょうか。これは単に避難する、身を守るという視点だけではありません。中学生は、発災後一定時間が過ぎ、自分たちの安全が確保された後は、避難所となっている学校では有力な災害対応要員になり得るからであります。それは、区が行う各種防災訓練等での活躍を見ても一目瞭然のことであります。もちろん装備する場合については、誰が負担をするのか、また、もし区が負担する場合、どこの予算なのか等、課題は多いとは思いますけれども、早急に対応すべきではないでしょうか。区立中学校の生徒の防災ヘルメットを、生徒の安全確保と防災・災害対応活動のために整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。

この項の最後に、医療用医薬品について伺います。

東日本大震災発災後の無償提供の医薬品合計80トンのうち、被災地に送られたのは44トン、そのうち使用されたのは32.5トンというのが、厚生労働省の資料で出ておりました。医薬品等についての災害時の供給体制、備蓄の考え方がこうしたことから見直されました。医薬品等の支援物資を自治体が仕分けして供給する体制から、平時と同様、卸売販売業者が供給する体制とし、医療機関、自治体は発災後、卸売販売業者の物流が復旧するまでの間、目安として3日間に必要となる医薬品等の備蓄をすることとなりました。

中野区では、これまで15カ所の拠点医療救護所に救急用7点セットと言われる救急用の医療器具とあわせて医薬品の備蓄はありました。主に救急外来で使用される医薬品です。平成25年に東京都で示された災害用の医療用医薬品備品リスト(案)で示された備蓄医薬品は、救急用のほか、高血圧、糖尿病等の疾患のための常用の医薬品まで拡大されました。

そこでお伺いします。中野区では、東京都の動きを受け、医薬品備蓄をどのように考えているのでしょうか。お示しください。

自治体である中野区が、医薬品備蓄を行う場合、収容する土地、建物、あるいは空調、電気代、セキュリティーなど、その維持管理には相当のコストがかかる上、消費期限が来たら無駄になってしまいますし、さらに、新たに購入する必要も生まれてきます。

そこでお聞きします。災害時に多くの需要がある常用の医薬品を含めて、薬剤師会の協力のもと、災害用備蓄医薬品保管場所として指定し、平時は日常稼働している薬局の医薬品として活用することで消費期限問題を解決し、区独自で行う管理負担コストの低減を図る、いわゆるローリング・ストック方式を検討されてはいかがでしょうか。

以上でこの項の質問を終わります。

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