次に、二つ目の項目としまして、都市計画道路補助26号線整備を契機とした、地域文化・観光拠点等の整備のあり方について伺います。

中野通りが突き当たりとなっている新青梅街道以北の都市計画道路補助26号線が、去る8月に国土交通省より都市計画事業の認可を得て、事業着手となりました。幅員20メートル、総延長490メートルのこの事業による効果は、環状道路ネットワークの強化はもちろんですけれども、歩道及び自転車走行空間の整備による歩行者・自転車の通行の安全性・快適性の向上、電線類の地中化や街路樹の植栽による良好な都市景観の創出、また、緊急輸送道路としての機能強化など、地域の安全性・防災性向上が見込まれるところであります。

一方、この事業によって多くの区民が影響を受けるわけで、そのことにつきましては、都の事業とはいえ、都との緊密な連携のもと、必要な情報収集と提供、また、関係権利者の意向を反映させる努力や地域活動に支障が出ないよう都との調整にも努めると、さきの予算特別委員会総括質疑でも確認をとったところであります。

また、地域住民の活動拠点となっております区立公園「みずのとう公園」の敷地の一部を東京都が道路用地として取得することになります。東京都と中野区との間で、当事者としての調整が必要であるということだと考えます。そこで、中野区は、この都市計画事業に際して、この地域をどのように捉え位置付けていくのかという観点からお聞きしたいと思います。

ことし3月の建設委員会資料では、歴史・旧跡、自然・景観など、多様な地域資源を「中野区認定観光資源」として129施設が決定した旨の報告がありました。区はこうした地域資源を、区が持つPRツールで情報提供し、人を呼び込み、観光事業につなげていくとのことであります。当該都市計画事業に直接係る施設で、この中野区認定観光資源として登録されているものとしては、「蓮華寺」「井上円了の墓」「野方配水塔」「みずのとう公園」「江古田獅子舞」があります。また、平成21年に東京都の名勝指定を受けた「哲学堂公園」も隣接をしており、中野区では東京都文化財保護条例の趣旨を踏まえ、哲学堂公園保存計画を策定し、短期、中期としては平成33年まで、長期としては平成34年以降にわたって事業計画を定め整備することとなっています。

中野区は、都市観光ビジョンを策定し、都市観光専門部局をつくり、都市観光を推進しております。中野駅周辺を起点として来街者を呼び込み、にぎわいをつくり出そうとしています。また、「なかのまちめぐり博覧会」のように、商業拠点や観光拠点を結び、区民や来街者が区内を回遊するように進めています。

そこでお聞きいたします。この補助26号線整備事業がきっかけとなって、まちの姿が大きく変わることをむしろチャンスとして捉え、みずのとう公園を中心としたエリアについては、その地域性・特性・価値を整理し、歴史・景観・地域文化の視点から、都市観光拠点として位置付けるべきと考えますが、いかがでしょうか。

また、先ほど述べたように、地元町会や地域住民の交流・活動拠点としてばかりでなく、防災上重要な拠点となっている中野区立みずのとう公園の敷地の一部を東京都に道路用地として提供しなければなりません。道路用地として提供することにより、公園敷地が大きく削られ、地域拠点としての活用は難しくなります。これを解決するためには、例えば隣接地を含めた周辺の土地利用状況を十分調査をし、地元町会や地域住民の交流・活動拠点、防災拠点としての機能が十分発揮できるように、みずのとう公園を再整備することも検討すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

補助26号線の整備スケジュールがある程度固まっているのであれば、そのスケジュールと連動して取り組むことも重要ですので、再整備するとした場合のスケジュールについてもあわせてお聞きいたします。

都市計画事業は、長い年月がかかります。同時に、そこに長年暮らしてきた区民の生活を一変させることになります。そうした犠牲の上に事業が進められていくということを深く認識しなければなりません。

そこでお聞きします。都市計画事業によってまちの様子は大きく変化するわけですから、こうした機会に、周辺地域の地域文化を守り、新たな活力を生み出すまちづくりとして取り組むべきと考えます。そこには区の強いリーダーシップが不可欠と考えますが、いかがお考えでしょうか。

以上でこの項の質問を終わります。

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